水ガラス法合成石英粉から酸水素溶融で合成石英インゴットを試作した。それは無気泡であった。私にとって、それは驚くほどのものではないが、中国の石英の歴史にとって大きな進歩だ。水ガラス法合成石英粉のコストはkgあたり500円程度であり、インゴットにしても1500円程度でできる。これが何を意味するかは勘のいい人ならすぐ理解できるだろう。半導体のみならず幅広い用途にこの製品が、従来の天然石英や合成石英に置き換わるのだ。中国なら月に1000トンくらい生産するのは問題ない。
中国にとって、天然石英の原料を海外に頼らなくてもよくなり、フッ酸の使用もなくなる。肺疾患が大幅に減り、いいことづくめなのだ。こうやって書くと、なぜ日本人なのに中国でやるのかと非難する人もいるだろう。私に言わせてもらえば、私が日本でやろうとしても日本ではできなかったということだ。もう日本は新技術に対し意欲を失ってしまったのだ。重箱の隅をつつきながらなんとか食いつないでいる日本より、中国という技術にどん欲な国がそれを手にする。この事業は私にとってライフワークだ。あと5年でこの業界を全部変えてしまいたい。
この量産に向けて進むのだが、私には次にやることがある。それは真空溶融だ。合成石英粉の真空溶融で1800φのインゴットを作る。それも無気泡の。それができたらインパクトは大きい。そしてその次はシリンダーでマザーチューブをつくり、管を作る。私は原料から溶融までを知っている。
それが終わったら基礎研究に戻ってさらに新しいことをやろうと思う。私にはそれ以外はできないし。