この世界は仏教では「諸行無常」という。全ての事象は固定されたものではなく、常に流動している。その中で自分もまた確固たる存在ではない。人が悩むのはそれが理解できないからだ。では自分は何者なのだろうか? 今いる自分は様々な縁から成り立っている。「お金」「家族」「地位」など多くの「縁」に縛られている。それによって作られたのが自分だ。自分は大会社の部長、そんなことで自分を表現したりする。しかし、それによって本当の自分に気づかなくなる。
出家とはすべての縁を断ち切ることだ。それは自分もまた「移ろう」存在だからだ。お金や名誉、家族と縁を切ることで、自己中心的な考え方を改めることができる。全てのことはほかの人のために。そう思えるようになる。それがたどり着く人生の最終目標なのかもしれない。
そう思ってこの社会を見てみれば、欲にまみれた人ばかりだと嫌悪感を覚えるだろう。政治家、財界人、学者、ほとんどの人がそう見える。誰もが自分、自分だ。でも私は何もできない。そういう世界とは縁を切ったからだ。自分は自分のできることをやって、やがては死ぬだろう。もし生まれ変わったら、この続きをしよう。