新規事業を成功させるために

6〜8分

 事業計画を立案するためには、多方面の項目について深い調査と考察が必要である。特に注力すべき製品を具体的に決定し、マーケティングから資金調達までを網羅しなければならない。しかし、中国においてはこのようなことは軽視されているように感じる。ほとんどは二匹目のどじょうを狙って安易に参入しているように感じる。とある事業が大きな利益を上げていると知ると、そこに群がる。中国では「二匹目のどじょう」は自分もそうなりたいと思うことであり、日本では「柳の下のどじょう」となり、そうそういつも柳の下にどじょうはいないものだとなる。

 新規事業には、差別化した技術やサービスが必要となる。先行している会社に対し、そのシェアを奪い取るためには何らかの優位性がそこになければならないのだが、真似だけなら、安売りをするしかない。参入者が多ければ多いほどマーケットは変動することとなる。

 私の経験から述べると、私が楠和クオルツに入社して、石英ルツボを始めた時、寡占していた市場に新規参入するのは難しいと感じていた。すなわちブランド力のない会社の新規参入は難しいのである。またこの業界は、系列関係ができていて系列以外が参入するのが難しかった。そこで私は1)ブランド化2)技術の差別化3)低価格化の戦略を作成した。ブランド化だが、会社は系列企業でもなければ、大企業でもない。そこで私自身がブランド化することを考えた。論文を発表し、学会にも出た。技術の差別化については、その当時石英ルツボの技術は非公開であり、顧客の技術者との交流もなかった。そこで私はルツボに関する技術のプレゼンを行うことにして顧客を回った。また検査表がなかった時代、検査表(特に寸法、重量、純度など)を一個一個に付けた。これは非常に評判となった。間接経費が少ない小企業では低価格路線は必須の戦略である。

また倉元製作所でルツボの新規事業を始めた時に、中国と提携し、中国で製造ー日本で品質管理というビジネスモデルを始めた。楠和クオルツで、アメリカの関連会社で製造したルツボを日本で品質管理して販売したことがあったが、その中国版だ。やがて私は中国にAQMをつくり、中国から世界にルツボを売った。

私は今までの経験から、新規参入は新しい戦略が必要であるということである。人まねではいけない。人は今までの経験を利用してやろうとする傾向があるが、参入障壁を打ち破るには強烈なインパクトが必要だ。しかし、中国にはこういった人材は極めて少ない。したがって中国でのビジネスは資金力によって決まることが多い。その資金とは国の補助金なのだ。

私はこの世界での経験が長い。技術、製造、品証、販売、マーケティングなどすべてを学んだ。もっと言えば、経営、会計なども経験済みだ。知らないのは銀行との交渉などだ。計画立案から工場レイアウト、装置の設計、条件出し、品質管理、生産、販売までをすべて網羅できる。そういうことがあって、新規事業計画が立案できるのである。じゃ、自分でやればいいのでは?と思う人がいるかもしれないが、私は借金が嫌いである。借金が嫌いな人に事業はできないのである。だからそれができる人と組むしかないのである。

WordPress.com で次のようなサイトをデザイン
始めてみよう