「在学中に数十社の面接を受けて、ようやく金融関係の会社に就職することができました。給料は6000元(約12万円)で中国の水準では悪くないものの、週末も出勤しないといけないですし、残業代もほとんど出ない。 それだけならまだしも、理数系の修士号や博士号を持っている社員がゴロゴロいて大卒の学歴では太刀打ちできないため、将来的に管理職に就ける見込みはほとんどありません。 今いる会社を辞めて、修士号を取ってキャリアアップするために大学院入試を受けようかとも思うのですが、毎年400万人以上が受験するので合格率は2割以下。大学受験でも就活でも死ぬほど苦労したのに、この年になってまた受験でつらい思いをするなんて……」 上海市に生まれて、中国国内でも難関として知られる大学を卒業した陳華さん(22歳・女性・仮名、以下同)は、ため息交じりにこう話す。
中国ではいい大学を卒業すれば、いい人生が待っていると信じられているが、それは高度成長社会では可能なものの、低成長の今、大卒程度ではいい職につけない。なにせ、小学校や中学校にまで博士課程修了の先生がいるくらいだから。昔から就活で強いのはコネだ。親戚や知り合いを探し、会社に潜り込み、そこから成りあがるしかない。そこに有名大卒も修士も博士も関係ない。だとしたら、大学では人脈を作っていくことが重要だ。しかし、中国の大学生は過酷な勉強から解放され、遊び惚けている。勉強ばかりしているから世の中がどうなっているのかわからないのだ。私がバスに乗っていると、中学生の集団が席を占領している。高齢者に席を譲る気配もない。中国の教育はどうなっているのだと思ったことがある。数学とか英語を学ぶ前に道徳を学んだほうがいい。
私が見てきた大卒は、現場仕事をしない。自分は服を汚すことなどしないという変なプライドがある。社長の私が物を作っている横でただ見ているだけという者もいた。人生が修行だとは思っていないから、謙虚さがない。その割に工具も使えない。これではコネ以外では雇えない。自分は激しい受験競争を勝ち抜いてきたと思っているかもしれないが、学歴など公務員くらいしか通用しない。
とはいえ、今の就職難をどうしたらいいかなんていうのは分からない。やはり親が子供の適性を見抜き、子供にあった教育を受けさせることではないか。人生は長い。一生修行なのだから。