人は変われる

6〜9分

● ガンジーが語った「だらしない男」の話  

バプジ(おじいちゃん)は、人は変われると信じていた。大変な努力をしてやっと変われることもあれば、ちょっとしたきっかけで変われることもある。たとえ小さな行動でも、雪だるまのように大きくなるとバプジは信じていた。それを私に、いつものようにわかりやすいたとえ話で教えてくれた。  ある夜、バプジと並んで座り、糸車を回しているときに、バプジがまたお話をしてくれた。お話の主人公はとてもだらしない若い男性で、小さなアパートに一人で暮らしている。その若者は、部屋の掃除を一度もしたことがなかった。他の家事もまったくやらない。そのため部屋は汚れきっていた。  「台所のシンクは、汚れた食器が山になっていた」とバプジは言った。目がいたずらっぽく光っている。「それも、普通の山ではない。天井まで届くほどの山になっていたんだ!」  その若者も、自分の部屋がひどい状態であることはわかっていた。それでも、部屋に誰も呼ばなければバレないから問題ないと考えていた。

● 片付けられない男を変えた「小さな出来事」  

ある日、彼は職場で一人の女性と出会い、だんだんと彼女のことが好きになっていった。彼女をデートに誘ったが、自分の部屋には絶対に招待しなかった。二人で公園を歩き、川辺に座って語り合った。  そしてある日、彼女は一輪の赤いバラを摘み、彼にあげた。このバラは愛の贈り物だった。ゴミ溜めのような部屋に暮らしているこの若者でも、美しい花はきちんと飾らなければならないということくらいは知っている。  彼はバラを家に持ち帰ると、汚れた食器の山から花瓶を見つけた。花瓶をきれいに洗い、新しい水を入れ、バラを生けた。  次は花瓶を置く場所を見つけなければならない。そこで彼は、食卓の上をきれいに片づけた。花瓶を置くと、食卓がとても華やかになった。  食卓だけでなく、部屋も片づけたら、もっときれいになるのではないだろうか?   彼は散らかったものを片づけ、床を磨いた。そうやって掃除の連鎖反応が続き、最終的に家中がきれいに片づいて、ピカピカに磨き上げられた。

● ほんの少しのきっかけと愛が、人を変える  

彼が心を入れ替えたのは、あのバラにふさわしい、きれいな家にしたいと思ったからだ。バラをあげるという小さな愛の行為が、彼の人生を変えたのだ。  当時は子どもだった私も、この愛の物語には感動した。人は誰でも、不完全な部分を抱えている。それでも、誰かの愛に触れ、ほんの少しのきっかけで、自分をもっといい人間に変えることができる。

 私が大学に入ったころ、かっこよさのためにタバコを始めた。ダンヒルやゲルべゾルテを吸ったのだから、完全にかっこつけのためだ。その夏休み、家でタバコを吸っていたら、母から「お前もタバコを吸う歳になったのか」と言われ、それからタバコを止めた。また女性に騙されて二人で旅行に出たことがあった。誰にも言っていなかったので、父が探していたという。その時から、親不孝はしないと誓った。

 人を変えるのは大変だが、自分が変わるのはたやすい。ちょっとしたきっかけで十分なのだ。若いときは過ちの連続だが、それで変わることで、成長してゆく。人生はそういう向上心を持つことが必要だと思う。

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