水木しげる

2〜4分

 「老いについては、『昭和史』の第8巻の最後で、ねずみ男が厳しい現代の世相を嘆きながら、「良き老後とはなんなのか そんなものがあるだろうか」とつぶやくと、作中に登場している水木サンがこう返します。  「ねずみ男‼ なんていうことをいうのだ 「老後」というのは思ったよりいいものなんだ(略)『人生の夕日』これがまた意外にいいもんなんだヨ 若いときは成功しようとかなんとか欲があるが すべてが過ぎ去って年をとり 自分が決まって欲がなくなるというのか 今まで気づかなかったいろいろなものが見えてくるのだよ 人間とか 人生とか いや さまざまなことが 今までにない姿で見えてくるのだヨ 若い時のようにくだらぬ邪心が消えているというのか 正に人生は六十からだよ」」

 人には108つの煩悩があり、5欲と呼ばれる欲望を持っている。これらの煩悩は人の成長には欠かせないものだが、行き過ぎると身を破滅させる。歳をとるとパワーが落ちてきて、限界を感じる。この時にあがらわず、満足を感じることが良い。つまり「足るを知る」ということで、幸福を感じるものなのだ。

 日本の老人たち、特に権力を握っている人たちは歳をとっても欲望に歯止めがかかっていないようだ。結局、晩節を汚すことになる。歳をとったら権力を手放すのが幸福になる方法なのだが。

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