辛い中国の子供

5〜7分

 今年に入り、中国各地で中高生の自殺が相次いでいる。衝撃的だったのは、天津で3月19~23日のわずか5日間に、7人の生徒がビルから飛び降りて亡くなったことだ。いずれも10代だった。
中国のメディアによると、7人はいずれも親の離婚問題や学業の不振、教師にきつく叱責されたことなどが原因で思い詰めていたという。しかし、中国の教育専門家は「われわれの教育と社会に問題があることが根本だ」と指摘している。
急速な経済発展が続いてきた中で、人々の成功は、一生懸命に勉強して、良い大学に入って、良い会社に就職して出世し、高い収入を手に入れることだった。少し成績が悪かったら、親と学校の先生に叱られる。とてつもない圧力を背負っている。「成績が良ければ全て良し」という環境が冒頭の悲劇を生んだ背景でもある。
中国国家統計局が5月16日に発表した4月の若年層(16~24歳)の失業率は20.4%だった。前月(19.6%)から上昇し、昨年夏の19.9%をも上回った。
たとえ名門大学を出ても、良い就職は保障されない。新卒大学生は「卒業=失業」のリスクが常態化。デリバリーやタクシー運転手などのアルバイトの多くは、実は高学歴だと報じられている。そうした中で、親たちは「子供の人生に一番大切なこととは何か、命より大事なことはない」と考え始めたのだ。
先日、一通の手紙がSNSで公開され、話題となった。それはある中学生の親が学校の校長や担任に宛てた手紙だ。
「わが子は最近、勉強に対しての倦怠感やうつ状態が深刻になっていて、とても心配だ。そのため、私たち家族は子供の将来を大きく期待せず、子供の凡庸さを受け入れ、普通の子として育てていくことを決心する。なので、この子に余分な宿題を出さないこと、勉強のプレッシャーを与えないことを切に先生方にお願いしたい。子供に将来、成功者になってもらいたいというよりも、今、心身ともに健康な子でいてほしいからだ。この子の心の声に耳を傾けたいと思う。たとえ成績が悪くても、決して先生たちのせいにしないので、ご安心ください」
中国社会の闇の部分だ。これは、社会も親も学校も悪い。親なら子供が明るく健康に育ってくれることを祈るものだが、中国では成績だけが評価される。成績が悪いと先生が親に文句を言う。親は気分が悪いので子供に文句を言う。子供は急に才能を開花するものだが、そういうことは子供の蕾を積んでしまう行為だ。習近平の一言で、以前より宿題は減ったものの、依然として宿題は多い。成績優秀な子供には「宿題パス券」が配られる。宿題をしなくともいいという券だが、学校では売り買いできる。この券をめぐっては盗難事件も起きる。これが教育というものだろうか?

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