黄はいつも日本時間で夜9時か10時ころにChatを送ってくる。おそらく夕食で白酒を飲んでから酔ってChatするのだろう。中国は一時間の時差がある。
今夜は現在月産500トンの天然石英粉の能力を1000トンにするために、浮遊選鉱機を16台注文したと言ってきた。現在の生産能力で十分だと思っていた私にとっては、黄もバブルの渦中にいるのだと思った。黄にすれば、儲けられるうちに儲けて、儲からなくなったらやめればいいという考えがある。彼に細く長くなどという発想はない。私は年老いてから欲はあまりなくなった。彼との意見の溝は深い。
坂本龍一氏が亡くなった。71歳だという。私と歳はあまり違わない。「14年に中咽頭がんと診断され、治療の末に寛解。だが、直腸がんと診断された20年6月には、治療しなければ「余命半年」と告げられた。手術では、最初にがんが発生した原発巣と肝臓2カ所、転移したリンパの腫瘍、さらに大腸を30センチも切除。両肺に転移したがんを摘出するなど、1年で6回の手術を受けた。その後は通院して投薬治療を続けてきた」のだそうだ。「人の命は短いが、優れた芸術作品は死後も後世に残る」と言ったそうだが、もともとは古代ギリシャの医者、ヒポクラテスが医術の修行を志す人に言った言葉だ。「医術を修得するには長い年月を要するが、人の人生は短いものだから、怠らずに勉学に励め」という意味だった。それがいつからか、医術が芸術に置き換わった。
坂本龍一氏も普通の人だ。この世界に時間など存在しない。彼が過去と未来を区別していること自体に違和感がある。人生が短いなどというのは彼が過去と未来の時間の流れを一方方向に感じているからだ。などと書くと、やっぱり私は狂っているのではないかと思う人がいると思うのでこの辺でやめよう。