フランスのデモ

5〜7分

 「フランス全土で23日、退職年齢の引き上げに抗議する大規模ストが行われ、公共交通機関や石油精製所、学校などに影響が広がった。 フランス政府が先週、投票なしの強硬措置を通じて法案を通過させた後、首都パリなど各地で散発的なデモが続いていたが、一斉ストが行われたのは初めて。法案が1月に提出されて以来、ストは9日目だった」

 この法案は年金改革法案で、2023年9月から受給開始年齢を毎年3カ月ずつ引き上げ、2030年に64歳とする。また、満額受給に必要な保険料の拠出期間について、2014年の法律により1955年以降に生まれた者に対し2035年までに41年6カ月から43年に段階的に引き上げることが定められたが、前倒しで2027年までに43年に引き上げるというものである。

 日本はすでに65歳になっている。この傾向は全世界で当たり前となっている。フランス人と日本人の仕事に対する考え方はどうなのだろうか? キリスト教において労働はまず、聖書の一節「お前は顔に汗を流してパンを得る。土に帰るときまで」(「創世記」第3章)がベースにある。人間にとっての労働とは罰だった。16世紀、ルターの宗教改革によって、禁欲と勤勉な労働が人間を成長させるという考えが芽生えた。その後のフランス革命によって、自由が重要ということになった。産業革命、世界大戦を経て、日本では仕事を通じて自己実現するという風潮が生まれたが、フランスでは仕事は人生の一部でしかないという考え方が一般的になった。仕事以外の人生を楽しむ、2016年5月に「オフラインになる権利」では、従業員数50人以上の会社では勤務時間外に会社のメールをチェックしてはならない、連絡を取ってはいけないという行動規範の策定を、法律によって義務化した。

 だからフランス人にとって、年金開始年齢を62歳から64歳にすることはとんでもないことなのだ。フランス人は徹底的に文句を言う。短い勤務時間や長い有休休暇もそれで勝ち取ったものだ。フランス人にとって仕事よりプライベートが重要だから年収についてはそれほど文句は言わないのが面白い。それに対し、日本人の労働時間は長く、プライベートより会社を優先していると言える。その理由は、フランス人がフランス革命によって自由を勝ち取ったからである。日本では自由はアメリカの占領下で与えられたものだ。その哲学の有り無しの差が大きな考え方の差になった。

 余談ではあるが、フランスのエンジニアは年棒制が当たり前なので、給料は高いが、労働時間は長く残業はつかない。仕事が終わればすぐ帰る技術者も多い。こういうのは日本にも取り入れたほうがいい。

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