中国の太陽光パネル関連製品の輸出額が、2022年は過去最高の512億5000万ドル(約6兆8456億円)に達し、前年比8割増の大幅な伸びを記録したことがわかった。2月16日、中国光伏行業協会の名誉理事長を務める王勃華氏が、業界向けのフォーラムの席でデータを示した。
上述の関連製品には太陽光発電用のシリコンウェハー、電池セル、電池モジュールが含まれている。総輸出に占める比率が最も大きいのは電池モジュールで、金額ベースの輸出額は前年比7割増の423億6000万ドル(約5兆6582億円)、定格出力ベースの輸出量は同56%増の153.6GW(ギガワット)に上った。
輸出の仕向地別では、ヨーロッパ向けの増加ぶりが輸出額でも伸び率でも顕著だった。2022年の総輸出額に占めるヨーロッパ向けの比率は55%と全体の半分を超え、前年比の伸び率は倍増した。
背景にはロシアのウクライナ侵攻の影響がある。ヨーロッパでは(天然ガス、石油、石炭などの)従来型エネルギーの価格が高騰するなか、各国が再生可能エネルギーを積極的に導入。太陽光パネルの需要を大きく押し上げたのだ。
とはいえ、今後については楽観できない。冒頭の王氏によれば、ヨーロッパ向けの輸出は2022年後半から勢いを失った。太陽光パネルの設置工事に必要な労働力が、人手不足で確保できないことなどが原因だという。
王氏はさらに、海外市場の先行きについて次のように危機感を示した。
「アメリカ、EU(欧州連合)、インドなどが輸入規制や貿易上の障壁を次々に打ち出し、中国企業を牽制している。と同時に、これらの国々は補助金支給などを通じて自国企業を実質的に優遇している」
同じフォーラムの席上で、ブルームバーグの新エネルギー産業担当アナリストを務める江亜俐氏は、アメリカの急速な変化についてこう述べた。
「アメリカの電池モジュールの年間生産能力は、2021年はわずか4GWだった。それが2023年1月までに、すでに稼働中のものと計画中のものを合わせて40GWに達した。アメリカの業界団体は、2030年にアメリカ本土で年間50GWの生産能力を確保する計画を打ち出している」
中国太陽光発電業界協会によると、中国の太陽光発電産業の規模が2022年、持続的に成長した。ポリシリコンの生産量は82万7000トン、シリコンチップは357GW、太陽電池は318GW、モジュールは288.7GWで、前年比でいずれも55%以上の成長率を示した。モジュールについてみれば、54%が輸出されたということだ。2023年も成長が続くと予想されているが、不透明だ。まるで2010年の太陽電池バブルのようだからだ。2008年頃のヨーロッパのFIT政策によって、太陽電池は急激に伸びた。中国では雨後の筍のように企業が乱立した。ハンカチやネクタイを作っている企業も参入した時には驚いたものだ。石英るつぼ会社も一時期は200社以上あった。この時のバブル崩壊のきっかけは、2010年のギリシャ危機によってFITの買い取り価格が急に下がったからだ。
今回の太陽電池バブルはロシアのウクライナ進行がきっかけであることは明白だが、アメリカやインドでも太陽電池の成長は目覚ましいものがある。つまりウクライナ戦争が終わっても、世界の需要は大きく減らないだろう。ただ問題はアメリカが国内で太陽電池を生産することだろう。半導体のように、中国製の太陽電池の規制をさらに強めれば、中国の太陽電池は生産過剰になる恐れがある。そうなった場合、中国はアメリカに代わる輸出先を求めるだろう。それがラテンアメリカや中東、アフリカだ。我々としても、3年間の供給長期契約を締結しているが、中国以外に対する販売ルートを検討することも必要だと考えている。今回、黄の3倍増設案を拒否したのもそういう情勢を踏まえてのことだ。もう私の会社の負債はなくなって、利益だけを生み出す体制になった。ここでまたリスクを冒す必要はない。