「人生100年時代においては、60代で引退することの必然性は薄いように思います。そもそも定年という考え方は、特定の組織に所属することを前提としています。自らプロジェクトを興して世界中の人たちと連携していくこれからの世界では、定年という考え方自体を捨てるべきです。海外では、社会人経験を積んだ後に修士号や博士号を取得したり、ビジネススクールのエグゼクティブプログラムに通ったりするのが一般的です。
一方で、高学歴社会ではなく、合格歴社会とも言われる日本では、社会人になってからも学習を続けるリカレント教育という考え方が浸透していません。いくつになっても東大出身であることや、マッキンゼー出身であることを自慢している人すらいます。
言うまでもありませんが、有名大学や有名企業に合格することはゴールではなく、そこでどのような結果を出し、その結果としてどのようなスキルを身につけているかが重要です」
男性の場合は、会社に入って組織の中での遊泳術を覚えていく。でも組織の中ではそれで通用しても、社外では通用しない。女性は結婚し、子供を産んで育ててから就職しようとしてもろくな就職先がない。こうして考えると、日本が外国に比べて競争力がないというのも頷ける話である。多くの日本企業が社員に対して忠誠心を要求し、社員は見せかけの長時間労働で忠誠を示す。こんな風潮ではとても勉強するなどできないだろう。
ロールプレイングゲーム「ドラゴンクエスト」は、勇者が魔王を倒すという強い信念のもと魔物と闘いながらレベルアップをしていく。お金もためながら強い武器と鎧を買って着ける。それでも足りなければ、転職をして魔法を覚えていく。そしてチームを自ら率いて魔王と対決するのである。人生は長いロールプレインゲームである。目的を見つけたら、常に向上心を持ち、歩み続ける。もちろん勇者と違い、老いということがある。しかし、老いても向上心だけは死ぬまで持ち続けたいものだ。人生は100年。魔王を倒せなくても魔王まではたどり着きたいものだ。