政府は2030年に原子力発電を総発電量の20%にするという。現在は6-7%程度だからすごい計画である。しかしこれでいいのだろうか?
EPRと呼ばれる欧州型加圧水炉はアレヴァ社が開発した最新の大型原子炉でフランス電力会社がフラマンビルに建設中であるが、工事の遅れが大きく設計不良の手直しと建設コストの高騰で完成が危ぶまれているような状態で、がぜん注目を浴びているのがビル・ゲイツが東芝と共同で進める300MW級の小型原子炉である。この小型原子炉は建設コストと工期を短縮できる。小型原子炉を分散配置してグリッドを形成することは理にかなっているように思いがちだが、これには高温ガス炉と溶融ナトリウム炉という軽水炉の先端技術が必要になる。ここが技術的に難しい。さらに発電コストは当然のように大型原子力発電にかなわない。NuScale Power社の算出した50MW級の小型モジュールの電力コストはキロワットあたり5,100ドル(61.2万円)で天然ガスコンバインド発電の900ドル(10.8万円)に対して割高で採算に合わない。第四世代となる新型原子炉の運転コストは第三世代原子炉の1.5-2倍になる。
さらに問題となるのが、核のゴミ問題である。原発から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる核のごみの最終処分場建設に向けた文献調査が今月、開始から2年を迎えた。調査を実施する原子力発電環境整備機構(NUMO)は「国内初の調査で見通しが立たない」としている。NUMOは場所の選定に向けて、北海道寿都町と神恵内村で第1段階に当たる文献調査を進めており、目安とされる2年の調査期間を今年11月に迎えた。北海道の鈴木直道知事は「核のごみを受け入れ難い」とする道条例や周辺自治体の反対を理由に、現時点での調査受け入れに反対の姿勢を示しており、進展の見通しは立っていない。
したがって、核のゴミを処分することはできないのである。それでも進めるというのは正しいのだろうか?この問題は国民に問う必要がある。エネルギー政策をどうするのか?政府に任せていたらツケを将来に残すだけだ。アメリカや中国はおそらく宇宙に捨てることを考えているのではなかろうか?そこまで考えないと解決できそうにないような気がする。