新型コロナウイルスに関する研究論文で日本の存在感が薄い。世界で18万本以上の論文が出たが、科学技術振興機構(JST)の分析では日本は総論文数で14位にとどまった。この結果、感染症対策を海外の研究成果に頼ってきた。日本の基礎研究力の低下が改めて浮き彫りになっている。
これはコロナ関連の研究だけの話ではない。科学全般の話なのだ。このことは日本の将来に暗い影を落としそうだ。
「8月9日、文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は「科学技術指標2022」を発表した。世界的にインパクトのある自然科学分野の論文数で、日本の地位はこの20年あまりの間に、4位から10位に陥落した。論文のシェアは1位の中国が27.2%、2位のアメリカが24.9%であるのに対し、日本はたったの1.9%。国内の科学技術力の低下に歯止めがかからない」
よくこの理由に予算と研究者数の問題とすることが多いが、「日本の研究開発費、研究者数は、今でも堂々たる3位である。2015年基準、OECD購買力平価換算の2020年の数字で比較するなら、日本は18兆円、アメリカは67兆円、中国は58兆円。ドイツは13兆円。イギリスについては2020年の数字がないので、2019年の数字で見ると5.3兆円しかない」したがって予算と研究者数の問題ではないのである。
では根本的原因は何だろう。日本には若いうちから頭角をあらわせる土壌がない。日本型組織は往々にして年功序列であり、優秀な若手は抑え込まれる。年功序列を廃止し、給料体系を能力主義にしない限り、優秀な若手は普通の人になってしまう。私は最近の若者の中には優秀な人がいるように思う。こういう人に若いうちからリーダーになってもらい、活躍してもらった方がよいと考える。