秋らしいすっきりした日が続いている。今日は三日に一回のPCR検査の日なので1.5kmほど離れた検査場に行かなくてはいけない。100m2ほどのアパートの一角でボーとして窓から入る風に気持ちがよくて、なかなか外に出る気がしない。
世の中には、孤独に耐えれる人と孤独に耐えられない人がいる。私は前者の方だ。子供の頃、完全な放任主義で自分のやりたいようにやってきた。小学校以来、私は予習だけして、授業中は聞いているふりをしていた。高校時代も予習だけ、授業中は問題集を解いていた。考えてみれば、学生時代も孤独の中にいたわけだが、別に不都合などなかった。就職してからも、自分の好きな研究ばかりしていた。試作は全部自分でやった。装置がなければ作った。効率が極端に悪いが、孤独とはそういうものだ。人からの評価など気にしない。自分は自分なのだ。
私の開発したものは、時代が早すぎるものが多かった。ボーと見つめる先は虚空だ。一人になって瞑想すると、突然虚空に鳥が現れて羽をバタバタしながら飛ぶ。鳥が羽を休める木がないので、鳥はずっと空中にとどまる。常識という概念を捨てて、無いものを見る。目を閉じれば、目では見れないものが見える。目を閉じなくても無いものが見えるときがある。
技術者は孤高であるべきだと、何度も言ってきた。私のように人から変人と認められると楽だ。それは周りの人が私を理解したということだからだ。しかし、普通の社会人はそうはいかないだろう。だが悩むのは愚か者の行為である。私は若い時から人を説得するという無駄な行為をやめた。自分は自分。
さてPCR検査に行こうか。