ショーペンハウワー

3〜4分

19世紀の哲学者ショーペンハウアーは、この世界を苦悩の世界と表現した。苦悩とは、欠乏、困窮、生活維持のための心労である。ゲーテの影響を受けた彼はペシミストといわれるが、単なるペシミストではない。彼にはこの苦悩から抜け出す術を教えている。
彼は欲を捨てることで苦悩から抜け出せると説く。人の欲は人と比較することで生まれる。蜘蛛の巣のようにがんじがらめに張り巡らされた現代社会において、欲望は大きくなり続ける。サラリーマンであれば、年収、地位、会社の規模などで自分の価値が高い、低いなどと思っていないだろうか?資本主義は、常に価値を生み出し膨張を続けるように、欲望もまた膨張し続ける。そんな自分が「もうこの程度でいいじゃないか」と思えたら苦悩もなくなるのだろう。
私の経験だが、若い時に「人の評価を気にしてもしょうがない」と思った時、苦悩からちょっとだけ抜け出したような気がした。人からの評価を上げようとして自分を大きく見せようとする必要がなくなったからだ。虚栄心は人が作り出した張り子の鎧だ。
私はもうすぐ満67歳を迎える。若い時から孤独が好きだった。孤独の中には真実がある。そして歳を取ると欲が減ってきて苦悩より平安のほうが大きくなる。アリストテレスはこういった。
「自分自身でいるということは、自由でいられること。自分が持っているものが多ければ多いほど、その人にとって他人は重要でなくなる」
この世界は欲望の世界だ。それは人にとって苦悩の世界となっている。我々は試されている。この世界で欲を捨て、捨てなくてもリミットを設けることを。もしできればこの世界は良い世界となるだろう。

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