サムスン電子3nmを量産

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韓国のサムスン電子は6月30日、回路線幅が3ナノ(ナノは10億分の1)メートルの半導体製品の量産を業界で初めて開始したと発表した。3ナノは半導体の微細化では最先端となり、ライバルであるファウンドリー世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)に先駆けての量産開始となった。

サムスン電子は、電流が流れるチャンネルを4方向からゲートで囲む新しいトランジスタ技術である「GAA(Gate—All—Around)構造」を適用した。3ナノGAA1世代工程は、従来の5ナノ立体構造トランジスタ(FinFET)工程に比べ電力は45%節減し、性能は23%向上、面積は16%縮小する。2世代の場合は、電力は50%節減、性能は30%向上、面積は35%縮小できるという。

ゲート・オール・アラウンド(GAA)トランジスタ技術は、実は東芝に在籍した舛岡富士夫氏が考案したものである。舛岡富士夫氏は東芝で冷遇されていた。それは彼の性格ゆえであろうか?湯之上隆氏(微細加工研究所所長)の言葉にあるように、「舛岡富士夫氏は「0を1にする」発明をした。これは、何もないところから価値を創造する“タレント”にしかできない仕事である。一方、多くの会社では、「0を1にする」仕事ではなく、「1を2にする、2を5にする、5を10にする、10を100にする」仕事をした人たちが評価され、昇進し、高額な年俸をもらうようになる。「10を100にする」仕事ももちろん必要だ。しかし、それは、「0を1にする」発明があって、初めて成立する仕事である。これはまったく質の異なる仕事である。日本では不幸にして「0を1にする」仕事をした技術者が評価されない。これは多くの日本の会社が、可及的速やかに改めなければならない決定的に重要なことである。それがなされなければ“タレント”は海外にどんどん流出していくだろう。日本のプロ野球選手が次々とメジャーリーグに行ってしまうように」

不思議なことに、日本には独創的な人が結構いる。それは他のアジア諸国とは違うことだ。しかし日本はそれを生かしていない。その根本的原因が国家組織であり企業組織なのだ。サムソンの業績を指をくわえて眺めているしかない日本のメーカーには反省してもらいたいものだが。

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