中国の著名な経済学者が「アメリカとその同盟国が中国に課している制裁を続けた場合、中国は台湾を占領してTSMCの支配権を獲得する必要がある」という見方を示したと報じ、世界の半導体製造能力の半分が集う台湾と、そこに籍を置く半導体企業TSMCの先行きを考察しています。中国国際経済交流センターのチーフエコノミストであるChen Wenling氏は、2022年5月末に中国人民大学の重阳金融研究院主催で行われた米中フォーラムで、制裁が長引いた場合の中国の対応について意見しました。Wenling氏はスピーチの冒頭、中国とアメリカは敵対関係を緩和する必要があり、両国の対立は「人類にとって災難である」と述べたとのこと。 その後、Wenling氏はアメリカが中国を孤立させようとしていると主張し、環太平洋パートナーシップと大西洋横断貿易投資パートナーシップ協定を引き合いに出し、アメリカが2つの大きな「反中国貿易組織」と作ろうとしていると主張。ただし、アメリカは前者から離脱しており、後者は交渉段階で頓挫しています。続いて、Wenling氏は、中国は産業チェーンとサプライチェーンを確保するための措置を講じ、「チェーンを壊して封じ込めようとするアメリカの措置に対処する」ための戦略的準備を行う必要があると述べました。 これはアメリカや同盟国がロシアに対して展開したような制裁を中国に課した場合、中国は「台湾を取り戻さなければならない」「もともと中国に属していたTSMCを接収する」という意味であると解釈。これは憂慮すべきことではあるものの、Wenling氏の演説は「中国は自国の経済安全保障に対する脅威に対する報復としてのみこの行動を取るべきであり、中国が他国に対する敵対行為に関与しない限り、ロシアと同等の制裁が起こり得ると考える理由はない」と示唆しているように思われると記しています。 また、Wenling氏は、「『彼ら』はアメリカへの移管を加速し、アメリカに6つの工場を建設しようとしている」「譲渡の目的をすべて達成させてはならない」と述べていますが、「これはアメリカ内での半導体製造工場の建設を奨励しようとするアメリカのCHIPS法を指している可能性があり、TSMCがアリゾナ州に建設中の半導体製造施設のための資金を含めた話をしている可能性がある」と推測しました。 TSMCの新工場建設は2024年までに完了する予定であることが伝えられていますが、高いとは言えない給料や厳格な労働体制という文化の違いなどから、TSMCは工場に配置する労働者の確保に苦しんでいるとも伝えられています。
ただし、「中国が台湾とTSMCを奪おうとする試みは、台湾政府が2021年に提案されたアメリカ陸軍士官学校の論文で提案された焦土化政策を採用すれば、いずれにしても無駄なものになるかもしれない」と意見。この論文では、中国の潜在的な侵略に対する台湾の最善の抑止力は、侵略が起こった場合に台湾の半導体製造施設を破壊し、中国から多くの半導体の供給を奪うという戦略を導入することであると示唆されているため、例え中国が台湾を占領しても半導体という資源を獲得することはできないという見方が示されました。 台湾の半導体企業は世界の半導体ファウンドリ市場の48%を占め、16nm以下のプロセスノードを使用するチップの製造能力の61%を有しているため、アメリカと中国の両方から重要視されています。一方で、中国は2025年までに半導体の自給率を70%にするという野心的な目標を掲げているにもかかわらず、2021年には自国の産業が使用するチップの6分の1を生産するに過ぎず、中国最大の半導体ファウンドリであるSMICはアメリカから輸出規制を課せられるなど強い制裁を受けたこともあり、台湾の半導体産業を重要視すると推測されます。
日米欧は中国に対する半導体関連の装置の中国に対する輸出を規制し始めている。中国はロシアのウクライナ侵攻がなければ今秋に台湾進攻をする計画があったとされる。その目的はTSMCを得たいがためだといわれている。TSMCは海外に工場を建てているが、これも防衛のためだろう。中台戦争ということになれば台湾の人口2300万人のうち、600万人近くの難民が生じ、日本、アメリカ、韓国などに難民が殺到する。中台戦争はウクライナの比ではないだろう。アメリカはTSMCを中国に渡さないようにTSMCの工場を破壊するだろう。そして技術者をアメリカに移住させる。日本経済は中国からの輸入がなくなり、立ち行かなくなる。しかし、日本の企業は全くそれへの対応を議論していない。危機感のない日本が生き残っていけるだろうか?