「今、私たちにいちばん必要とされているのが「創造性」です。しかし、それが当たり前になっていないところにこそ、問題があるのです。 なぜ創造性というものが当たり前になっていないのか。それは、みんなの力を合わせてものづくりに励む、という経済の高度成長を支えてきた旧来の考え方ややり方、いうなれば、ある種の文化が今もそのまま残っているところに問題が潜んでいます。 日本人はまじめで勤勉です。この性格は経済の高度成長には間違いなく大きく寄与してきました。しかし、そこに問題が隠されている、ということです。 つまり、「日本経済の高度成長を支えてきた、日本人が持つ職務に忠実な勤勉さこそが、今の停滞の主因になっている」というのが、約30年にわたって日本企業の変革の現場に身を置いてきた私がたどり着いた結論なのです。日本人は、勤勉で粘り強く、結束力は世界一でありながらも、こうした「思考停止」に陥りやすいという特異性を持っています。それは、「運命として与えられた規範を耐え忍ぶ姿勢」にどこか親近感を持ち、それを率先垂範することを美徳とする、という一種の「勤勉美学」が組織の中に息づいている、ということでもあります」
江戸時代が終わり、明治になって日本は大きく変わった。それは文明開化によって一気に欧米の文化を取り入れたことによって日本人の考え方が大きく変わったからだ。本当なら日本のバブル崩壊によって、また徹底的に変わるべきだった。しかし変われなかった。それは自分の甘い保身からだ。社会や組織の中でどっぷり浸かってしまった日本人にそれから抜け出すことは裸で外に放り出されたと同じことなのだ。しかし我々は変わらなければならない。社会も組織も全部だ。
最後に付け加えよう。パブロ・ピカソの言葉だ。「すべての子供は生まれながらにしてアーティストだ。問題は、大人になってもアーティストでいられるかどうかだ」 家庭、社会、教育の中で創造性を失っていくことが問題だ。ピカソのように、常に時代を先取りし、進化し続けたいと思う。生前から高い名声を得ていたにもかかわらず、たとえ批判されることがあっても変化を続けたピカソは、少年のような純粋な創造性を生涯発揮し続けた。