海外出張

3〜5分

 私は楠和クオルツにいたときから海外出張をするようになったが、AQMに来てからは独りで行くことが多かった。自分でアポを取り、航空チケットをとりホテルを約した。チケットはいつもエコノミー、ホテルは安いものを取った。その当時のエコノミーチケットは最低4泊など滞在期間に制約があった。一日くらいは仕事のない日があり、美術館や博物館に行ったりした。私は首尾一貫してAQMに日当というものを請求したことがない。それほどお金に厳しかった。ある時、営業が若い技術者と韓国に行ったとき、夕食の接待の伝票が来たのだが、相手方の人がいないので、私は拒否した。金の使い方に汚い人は私は嫌いである。

 日本、韓国、台湾、ヨーロッパ、アメリカと顧客を回った。出張する前は資料を必ず作る。顧客の興味ありそうなことを、顧客ごとに違う資料を作る。海外出張していいなと思うかもしれないが、体力も消耗した。東京でカプセルホテルに泊まった時は「俺は何してるんだ」と思った。ある時、杭州を夜に出てクアラルンプールで乗り換え、チェンナイに朝6時に着き、それから3時間車で行き、夜の8時に戻った。夕食を食べる前に、ホテルの部屋で背中の激痛で倒れた。「俺はここで死ぬのか」と思った。でも不思議と恐怖はなかった。3分くらいして息ができるようになった。血栓が取れたのだろう。その後酒を飲んだが普通だった。このことは別な海外のホテルでも起こった。海外に住む人にとって、海外で死ぬことはあるだろう。でも後悔はしない、そう思った。

 5年のパスポートを増頁しても2年でいっぱいになった。中国に住んで5年目の時、入国したときは住んでいるところの公安に行って登録するのだが、もうあなたは来なくていいといわれた。公安は5年間調査していてまじめだったからと言った。そうなんだ。

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