Rena Solarにはかなりの数量を入れていたが、私がノルウェーにいたとき、顧からルツボが3個続けて割れたと連絡があった。すぐに使用を中止するように言ったのだが顧はそのまま使用させた。続けざまに割れが発生した。私が帰って解析すると、明らかにポリシリコンの純度が悪いものをしたとしたと分かった。Rena Solarはポリシリコンが手に入らないため、汚いシリコンを混ぜて使用したのだった。その当時、AQMは水素ガスを入れた散布法で作っていたので、OH含有量が多かった。それが失透を促進させたのだ。顧は賠償金を払うといってきたのだが、原料を無断で変えたのはRena Solarのほうであり、賠償などとんでもないといったのだが、私のいないときに賀さんと話をしたようだった。
私は余姚英晶に行って真空法に変える試験を行った。余姚は自分で設備を作れるので早くできるからだ。余姚も同じ問題に直面していた。真空法はうまくいき、余姚もAQMも真空法に変えた。すぐその方法は中国中のルツボメーカーに広まった。技術を売る人間がいたのだ。
それでもGEのバリウムコーティングのほうが良い結果を出しているということで余姚に技術を教えたのだが、普通のルツボに水酸化バリウムをスプレーしてコーティングしてもバリウムはコーティングできない。私も知らなかったがGEは内面を荒らしていたのだ。荒らした状態でも厚くコーティングできないために、コーティングを繰り返していたのだ。我々はそんなことは知らなかったために、ルツボを温めてコーティングする方法を考案した。この方法だといくら厚くしてもコーティングできた。余姚はこの技術でシェアを伸ばしていく。しかし、あっという間に中国中に広まった。面白いのはAQMも私でなく別な中国の会社から技術を導入したのだ。GEは特許侵害で訴えようとしたが、技術が少し違うこと、中国であることを考慮して訴えることはなかった。
中国はおそろしい、金のために技術を流す社員がいっぱいいる。AQMでは原料を塩酸ガスで純化する装置を多数持っていた。ある時、とある原料粉メーカーに行ったらAQMと同じ装置があった。AQMをやめた男が売り歩いているということを知り唖然とした。こんな中国で生き残るには海外市場を目指すしかないと思った。AQMは日系企業であり日本に送るお金もある。組織も大きい。他の中国企業と違って安く売ることはできない。海外は私が営業をした。月に3,4回も海外出張した。朝起きるとここがどこかもわからない時があった。次回はその時の話を書こう。