中国で商売するには賄賂が普通だった。中国のお客に行くと必ずわいろを要求される。それは本当だった。顧客の資材担当は悪っかった。どこに行ってもわいろを要求するのだ。品質など関係なかった。中国での商売はコネと賄賂の世界だった。私は常に賄賂を拒否した。そして私は海外に活路を求めたが、海外は時間がかかる。副社長の顧は国内営業部を作り、販路を開拓していった。嘉善という上海の近くにRena Solarという会社があった。彼の生まれが嘉善ということでRena Solarにルツボを売ることになった。順調にルツボの売り上げが上がったが、顧はガソリン代という項目で資材に賄賂を贈っていた。私がノルウェーにいる時にルツボの割れが起きたという連絡をもらった。私はすぐに使用を中止するように言ったのだが、顧はいうことを聞かず使用を止めなかった。案の定ルツボの割れは頻発した。私はすぐ中国に帰り、Rena Solarから使用済みのルツボの破片を調べた。そのルツボの表面はひどく失透していた。その当時のAQMのルツボは水素ガスを入れて透明層を形成していた。そのためOHが高く、不純物が多いポリシリコンを使うと失透する。Rena Solarはポリシリコン不足のために汚いシリコンを使用することに転換したのだ。顧はルツボの割れによる賠償金を支払うといってきたが私は却下した。もし、シリコンを変えるなら相談すべきで、勝手に変えた責任をルツボに転嫁するのはおかしいと思ったからだ。カオスだった。Rena Slarでまた割れたという。行ってみたらリチャージをして大きな塊がルツボを割った。それを指摘すると、半分でいいから負担してといわれた。もちろん拒否した。この資材の男は賄賂をAQMからもらっていたようだ。ある時、Rena Solarの資材の担当者に呼ばれたのだが、新しい資材担当者はパナソニックから来た男だった。AQMのルツボを買うという。まともな人もいるものだと思った。賄賂の請求もなかった。
私は海外営業に注力することにし、韓国、台湾、日本の客の営業をした。また私はアメリカ、ヨーロッパの知っている会社にアプローチした。一か月に4回も海外出張することがあった。それも一人で顧客に行くのだ。ある朝目を覚ますと、ここがどこなのかわからないということがよくあった。
次回はノルウェー編を書こうか。