酒と人類

5〜7分

 実は理由があって(そんな深い理由でもないのだが)酒をやめている。別に飲みたいなどということもないので普通の生活を送っているのだが、まあ酒をやめると健康になるかもしれないと血圧や血糖値のデータを撮っている。

 遠い昔、人の祖先にはアルコール分解酵素がなかった。食料が不足すると落ちて腐りかけた果実なども食べていたに違いない。そういう果実には発酵してアルコールを含むものもあっただろう。人は簡単に酔っぱらい、肉食獣の餌食になったのもいただろう。あるとき人はアルコール分解酵素を手に入れた。1200万年前のことだ。そしてアルコール分解酵素を手に入れた種だけが生き延びた。それほど食糧難だったのだろう。1万6千年前のトルコの遺跡で穀物から酒を造った遺跡が発見された。アルコールは人の脳に流れていき、前頭葉を麻痺させる。酒で儀式のようなことを行ったのだろう。人類はアルコールの魔力に取りつかれ蒸留酒を生み出す。これにより簡単に理性を失うことができるようになる。 しかしその後、アジアを中心にアルコール分解酵素を持たない人が増えていく。これはアルコールを分解してできるアセトアルデヒドを殺菌として利用するためだという。人の体にはアルコールを分解してアセトアルデヒドにする酵素と、そのアセトアルデヒドを炭酸ガスと酢酸に分解する酵素がある。アジア人にはアセトアルデヒドを分解する酵素が少ない人がいる。これは体の中でバイ菌をアセトアルデヒドで攻撃するためだといわれている。つまり、アセトアルデヒドを分解する酵素の遺伝子を抜くことにより感染症からサバイバルしてきたのだという。しかし、アセトアルデヒドは諸刃の剣だ。これによってガンになったり、いろんな病気になったりする。調査によると、アセトアルデヒドを分解する遺伝子の働きが弱い人は、飲酒で頭頸部がんになるリスクが3.6倍、食道がんは7.1倍にもなるという。

 私はいくら飲んでも二日酔いをしない。おそらくアセトアルデヒド分解酵素が多いのだろう。酒飲みには理想だ。若い時、映画で白人がウィスキーをショットグラスで一気に飲んで仕事に行く(スパイ?)シーンを見て、私もああなりたいと思った。それは実現したのだが、アルコール分解酵素が少なくて、仕事をするより飲み続けたいと思うようになった。アルコール中毒は強い人がなるという。アルコールが脳に入るとドーパミンを出す。このドーパミンの快楽が中毒を引き起こす。しかし、私の脳は酒によってでるドーパミンの量が少ないようだ。したがってアルコール中毒にはならないし、酒をやめるのも簡単だ。アルコールは脳を委縮させる。酒をやめてみた一つの理由に夢の内容が悪かったからだ。酒をやめてから夢の内容が良くなった。脳があまり酒を飲むなと言っているようだ。

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