日本は次世代太陽電池で勝てるのか?

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 兵庫県立大などの研究チームは、次世代の太陽電池と呼ばれる薄型の「ペロブスカイト太陽電池」の実験で、世界最長となる20年以上使用できる結果が得られたと発表した。シリコン結晶を使う電池よりもコストが低く、利用範囲が広がる可能性が期待される一方で、耐久性の低さが課題だった。研究チームは「実用化に向け大きく前進する」としている。

 最近注目を浴びている「ペロブスカイト太陽電池」は色素増感太陽電池から派生したもので、その色素増感太陽電池は1991年スイス連邦工科大学ローザンヌ校マイケル・グレッツェルによって発明された。現在の「ペロブスカイト太陽電池」は2009年桐蔭横浜大学宮坂力らによって開発されたものだ。最初は3.9%の変換効率であったが、今では15.1%まで来ている。

 世界各国とも量産化に向けた熾烈な競争を行っている段階だ。ホシデンは滋賀の工場で2023年から本格量産を始める計画だ。積水は2025年の量産化を進めている。しかし、量産の口火を切ったのは、ペロブスカイト太陽電池に特化したスタートアップのサウレ・テクノロジーズ(ポーランド)で今年9月のこと。イギリスのオックスフォード・フォトボルテイクスや中国企業も商業生産の準備中という。 なんてこった。ここでも追い抜かれているのだ。

 生みの親である宮坂氏はこういう。「ペロブスカイト太陽電池に限らず、国などのプロジェクトに加わって技術開発をする際、その予算内でやっているうちは海外と渡りあえない。海外のスタートアップなどは投資家から自力で何十億円もの資金を集め、ペロブスカイト太陽電池に特化して開発にまい進するのだから」「日本企業の多くはいくつかある事業のひとつとしてペロブスカイト太陽電池を開発しようとするが、サウレ・テクノロジーズや中国の企業は同電池でダメならすべてなくなる覚悟でやっている。日本にはこれがない。だから海外より開発が遅れた」と国内企業へハッパをかける。「10年ほど前は太陽電池のワット当たりの生産数は上位を日本企業が独占していたが、中国企業にとって代わられた。太陽電池は売れてもビジネスにならないと日本企業が考えるようになったから」と付け加えた。

 ペロブスカイト太陽電池の研究者は、博士号を取得した若手を含めると海外に2万5千人ほどいるという。宮坂氏は「例えば中国は約1万5千人。日本は数百人程度だろう。いくら日本の質が高く技術が濃縮されているといっても、相手は100倍もいて多勢に無勢。リードする研究者のトップデータと比較すると、日本は決して優位ではない」と危機感を募らせる。

 結局国力がビジネスを制するのだ。この分野でも中国にとられそうだ。

 

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