中国の電力不足を受けて供給不安が指摘されていた中国産金属シリコンは、電力供給再開により地場メーカーの出荷量も通常の4~5割まで回復している。しかしながら依然として供給量が限られるほか、太陽光パネル需要向けの引き合いが急増。これを受けて「2202」など高品位品は高値が続くほか、アルミ合金添加などに利用する「441」は若干下落。一方で低品位品「553」は大きく下落しており、グレードによって値動きに差が出ている。 アルミ合金の添加材などとして利用される金属シリコンは、中国が世界シェア6割以上を占めており、主な産地は新疆地区や雲南省、四川省、福建省。金属シリコンは不純物の度合いによりグレード分けされており、例えば高品グレードの「2202」はシリコン99・0%超に、鉄とアルミが0・2%以下、カルシウムが0・02%以下のものを指す。 足元の輸出向け広州価格(FOB)は「2202」が1万2千ドル前後、「3303」が1万500ドル前後、「441」が9千ドル前後、「553」が7600ドル前後。また液晶パネル向けが中心の「421」は1万1500~2千ドル前後、「97%塊」は5千~5200ドル前後。
金属シリコンは中国の電力制限が発生した9月後半に供給不安となり、一時取引が停止した。しかしながら石炭価格の騰勢や電力供給を再開したことで、生産面での不安が徐々に払しょくされつつある。しかしながら中級品以上の価格は高止まりが継続。 太陽光発電用途に使用するのは441や3303が中心であり、553や97%塊は技術的に困難なため、足元のような価格差が生まれたもようだ。 太陽光発電向け需要については、「中国の年産200万トンのうち内需にまわるのは120万トン。このうち太陽光パネル用ポリシリコンが45万トン、半導体用ポリ・モノシリコンが10万トン、シリコーン化学用が38万トン、アルミ添加用その他が27万トンとみられる。10年前まで5万トンに過ぎなかった太陽光パネル用がいまや最大需要分野になった」 さらに「シェアは拡大したものの、中国全体の発電量のうち足元の太陽光発電のシェアはわずか2・2%。政府は30年にシェアを25~26%、2050年には39%まで引き上げる計画を示しており、今後も太陽光パネル需要は旺盛なままだろう」と述べる。
私は10年以上前に中国東北にある金属シリコン工場を見たことがある。手作りの炉で作っていた。黒煙が空に滞留する極悪な環境だった。その前にノルウェーのエルケムを見ていたのでびっくりした。その工場は自動化され、煙など出ていなかった。金属シリコンの産地は珪石の産地でもある。この珪石を使用するため、珪肺患者が多く出ている。また多くの電力も消費する。これでいいのだろうか? やはり水素還元や別な方法に変えるべきである。その意味で太陽電池はシリコン以外とするのが良いだろう。そういう意味で電力の累進的価格の適用、CO2排出課税などを実施すべきである。