「アメリカでは自分のしたいようにできます。他人がどう感じるかも気にする必要がありません。アメリカでは自分の研究のために好きなことをすることができます。私は人生で一度も研究計画書を書いたことがありませんでした。自分の使いたいコンピューターをすべて手に入れ、やりたいことを何でもできました。私は他の人と調和的に生活することができないからです」
「日本の優秀な研究者が海外へ流出するのは待遇も環境も海外の方が良いからです。日本では自分のやりたい研究に使える費用、時間が限られている。そうなると失敗を恐れて冒険しなくなる。画期的な発明が生まれる土壌ではなくなってしまう。調和を重んじる日本人の国民性が決して悪いわけではありません。世界でも日本人の協調性を高く評価している。ただ、真鍋さんが会見で言われたように、日本は科学者と政策決定者の間のコミュニケーションを取れていない。科学は成功の裏で試行錯誤の連続です。失敗を許容する文化も大事だと思います」
借金大国日本に科学者を支援する能力などない。科学者はよい舞台を求めるダンサーに似ている。自分の実力を信じて最高の舞台に行くのだ。それをだれが責めることができるだろうか?アメリカは自由な国なのだが、自由ゆえに厳しい。成果が出なければ予算は削られ、テーマそのものもなくなる。だからできる限りの実験を行う。真剣さが違う。中国は人をたくさん使って試行錯誤でやる。実は試行錯誤で発見した結果は新規であることが多い。この二大化学大国の間に挟まって日本はどうすべきなのだろうか?私はアメリカのように大金を使って優秀な人にやらせたり、中国のように人と金を使ってやる方法も日本には向いていないと思う。向いていないというよりできない。日本は2005年ころに産学連携とした。しかしこれにより基礎研究テーマが少なくなった。私はこれをレベルが下がったと理解している。やはり天才を集めて基礎研究をする国家機関を設けるべきだ。また大学のレベルアップは必須だ。理系は一年生から研究に触れさせることが必要である。とはいえ、まず官僚、政治家の考え方を変えていくことが一番重要だ。それがないと日本の衰退は止めようがない。