中国の太陽光パネル大手で、アメリカのニューヨーク証券取引所に上場している晶科能源(ジンコソーラー)は9月15日、2021年1~6月期の決算報告を発表した。それによれば、売上高は158億7000万元(約2696億3000万円)と前年同期比6.3%減少。純利益は2億8700万元(約48億7600万円)と同52%の大幅な落ち込みを記録した。業績悪化の主因は原材料価格の上昇だ。
ソーラパネルは、金属シリコンーポリシリコンー単結晶ー太陽電池セルーパネルの工程で作られる。金属シリコンは半導体ポリシリコンの原料でもあるが、この金属シリコンの66%は中国で生産されている。炭素と珪石から電解法で製造されるが、電気を大量に消費し、環境汚染もあることから減産の方向となっているため、価格が3倍に高沸している。さらに大問題は米国政府によるウイグル問題である。 2021年6月24日にアメリカ・バイデン政権が、強制労働の疑いがあるとして、中国から太陽光発電パネル原材料であるシリコン関連製品の輸入禁止を命じたことだった。 輸入禁止を命じたのは、中国の合盛硅業股分有限公司(ホシャイン・シリコン・インダストリー)。新疆ウイグル自治区に製造拠点を持つ多結晶(ポリ)シリコンの製造大手だ。ホシャインの原料シリコンだけでなく、ホシャインのシリコンを使った太陽光パネルも含まれる。 同時にアメリカ商務省は輸出禁止対象にする「エンティティ・リスト」にホシャインのほか、新疆大全新能源(ダコ・ニュー・エナジー)、東方希望集団(イースト・ホープ・グループ)傘下の新疆東方希望有色金属、新疆協鑫新能源材料科技(新疆GCLニューエナジーマテリアルテクノロジー)、新疆生産建設兵団(XPCC)の計5社を追加した。これらにアメリカ製品を輸出する際には商務省の許可が必要になる。
金属シリコンが上がれば、当然ポリシリコンも市場価格は1キログラム当たり206元(約3500円)と、年初に比べて2.5倍に値上がりした。中国はポリシリコンでも世界の58%を生産している。単結晶シリコンも当然コスト高になっている。この単結晶シリコンの中国のシェアは93%にのぼる。これをセルにし、パネルにして販売するのだが、パネルの販売価格の上昇率は19%でしかない。ちなみにセルは75%、パネルは73%のシェアを中国が持っている。
中国のパネルのシェアは、隆基緑能科技(ロンジ)が首位。天合光能(トリナソーラー)と晶澳太陽能科技(JAソーラー)、晶科能源(ジンコソーラー)となっているが、10%をわずかに超えているのは隆基緑能科技(ロンジ)だけで10%未満の企業がしのぎあっている。
さて再生エネルギーとして期待されている太陽電池であるが、パネルのさらなる価格上昇はそこに水を差すものである。私としては電解法でつくる金属シリコンをベースにする限り炭素は消費しなければならず、ここに新技術の必要性があると思う。すなわち石英の新還元法だ。これを水ガラスからできないだろうか?考えてみる価値はないだろうか?