東京・池袋で2019年4月、車を暴走させて母子2人を死亡させ、他9人に重軽傷を負わせたとして、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた旧通産省工業技術院の元院長、飯塚幸三被告(90)の判決公判が9月2日、東京地裁(下津健司裁判長)であった。下津健司裁判長は、禁錮5年(求刑禁錮7年)を言い渡した。
アクセルとブレーキの踏み間違いを認めず、車の問題と主張した飯塚被告。とあるコメンテータが官僚の考え方だといった。まあ極端な指摘である。孔子の教えに「吾、十有五にして学に志す、三十にして立つ、四十にして惑わず、五十にして天命を知る、六十にして耳順う、七十にして心の欲する所に従えども、矩を踰えず」という名言がある。60歳過ぎたら人の言うことに耳を傾け、70歳ではやりたいことをしても人の道を外さなくなる。この人は周りの人が心配して車を運転するのをやめたほうがいいという助言を聞かず怒ったのであろう。
この孔子の言葉は奥が深い。「自ら望む在り様について、志して(15)、自立行動をして(30)、変な拘りを持たず(40)、使命を理解して(50)、素直に人の意見を聞けるようになり(60)、やりたいことを素直にやっても人の道をはずさなくなった(70)」人生はこの順番で60代まで生きれば、70代には自然に礼儀をわきまえた人になれるのである。したがって、彼は60代に人の助言に耳を貸さなくなったので、70代以降は人の道を外したのであろう。多くの高齢者は今までの経験によって得た知識から頑固になる。だから高齢者こそ、学び続けることが重要で、常に新しいことに触れることで自分を謙虚に保てば、今回のようなことは起きなかったかもしれない。