日本経済の低迷は日本人のマインドが原因

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日本経済はバブル崩壊以降、30年にわたってほとんど成長できない状況が続いている。日本が成長できなくなった最大の理由は、経済の屋台骨だった製造業がグローバル化とIT化の波に乗り遅れ、国際競争力を失ったことである。 だが、成熟した先進国は豊かな消費市場が育っているので、輸出競争力が低下しても国内消費で成長を継続できるケースが多い。日本だけが消費を拡大できない理由は、長年、謎とされてきたが、近年、経済学と脳科学を組み合わせた学問の発展によって、ヒントになりそうな研究成果が得られている。簡単に言ってしまうと、日本人は諸外国と比較して「意地悪」な人が多く、他人の足を引っ張る傾向が強いというものである。

 大阪大学社会経済研究所を中心とした研究グループによると、被験者に集団で公共財を作るゲームをしてもらったところ、日本人はアメリカ人や中国人と比較して他人の足を引っ張る行動が多いという結果が得られた。 日本人は、他人を他人と割り切れず、互いに相手の行動を邪魔しているわけだが、この実験結果は身近な感覚としてよく理解できるのではないだろうか。 日本では何か新しい技術やビジネスが誕生するたびに声高な批判が寄せられ、スムーズに事業を展開できないことが多い。その間に他国が一気にノウハウを蓄積し、結局は他国にお金を払ってその技術やサービスを利用する結果となる。 成功者は基本的に妬まれるので、自身の経験を積極的には他人に語らず、成功のロールモデルも共有しにくいが、これでは消費経済が活発化するわけがない。

 一連の研究結果は、何となく分かっていた事実を改めて顕在化したものと考えてよいだろう。同大学の別の研究グループによると「新型コロナウイスルに感染するのは自業自得だ」と考える日本人の比率は11.5%と、中国の4.83%やアメリカの1%などと比べて突出して高かった。 複数の研究が似たような結果を示していることの意味は大きい。消費経済低迷の根本原因がメンタルにあるのだとすると、厄介な問題ではあるが、逆に考えれば、この部分さえ改善できれば、劇的な効果が期待できるということでもある。 これからの時代はますます消費経済が成長のカギを握る。日本を再び成長軌道に乗せるには、社会全体での改革が必要なのかもしれない。

 佐藤優氏によれば、「20、30代の人がどう考えるべきか、と言うと、グローバルに生きるのか、日本国内、もっと言えばローカルの中で生きるのか、どちらかをはっきりと選択するべきです。それにより悩みや考え方も違ってくると思います。競争の中で生きていくならば、拠点はシンガポールやアメリカなど外国においた方がいいかもしれません。日本は、能力が突出している人の足を引っ張る世界ですから。日本は、土着的なコミュニティ、アソシエーションで結びついています。
同質化の傾向が強い世界です。足を引っ張り合い、ヤキモチが強い文化です。ローカルで生きていくと決めたならば、こうした日本の背景を意識して生き残ることを考えるべきです」ということである。

 日本においては、普通と違っている人に対して厳しい文化がある。教育機関ではしつけなどが行き過ぎて子供が悩むこともある。不倫なども裁判で判決を受けるよりも厳しい社会的いじめを受けることがある。進化が速い今、多様性こそが大事なことだ。もっと自由に、活発に生きれる社会にしたいものだが。

 

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