今日は中国の光ファイバー業界の話である。中国は世界最大の光ファイバー供給基地であり消費国だ。ここ数年、光ファイバーメーカーは設備投資を行い5G投資への対応を進めてきた。しかし、今年に入って5Gの投資も終わり在庫がだぶついている。これまでは日本などへ安く輸出することで稼働率を保ってきたがそうもいかなくなってきた。
そこでコアのない合成石英の製造を始めた。その用途は光学レンズである。光学レンズ用の石英ガラスの中国国内の市場は月に50トン。価格は大きさと売り先で決まっていて、最も高いのが、軍事用である。この価格は大きい物なら15~30円/gであり、中国三社で独占されている。この製法はSiCl4の酸水素溶融である。民生用は大きさで決まり、大きいと6~9円/gで、小さいものは4~5円/gである。光ファイバーメーカーは軍事用を狙うのだろうが、軍事用のマーケットは月に10トンと小さい。ただ先行三社のコストより光ファイバーメーカーの方が安いと思われるため、この分野でのシェア争いは混沌となるだろう。
しかし、光ファイバーメーカーの生産能力は大きく、そんな市場では満足できるはずがない。したがって彼らはフォトマスクやステッパーレンズに食指を延ばすだろう。だがこの分野は敷居が高い。彼らにできるだろうか?