3月は冬から春に移る季節だ。東京でも桜が開花しそうだ。私は日本に帰ってきてワクチン接種を待っている。ワクチンを打ったならまた昔のように世界中を飛び回れるだろうか?
「物を作る喜びは技術者だけに与えられたものだ」故本田宗一郎氏の言葉だ。商社や証券会社に勤める人の派手さのかけらもみじんもない、油まみれのこの職業で激しく生きていくのは至難の業である。ただこの社会をダメにしているのは最も資本主義的な発想だ。金儲けに支配されている人のなんと多いことか。
技術者とは野球に例えるとメンバーのように打つ順番も守る位置も決まっているような場合もあるが、優れた監督、優れたプレイヤーがいなければ勝つことができない。ホームランは試合を決める力を持っている。技術者もそれと同じで、人並外れた技量の人がいなければ独創的な技術は生まれない。本当の技術者にとって、「安く、品質の良い独創的な技術」を開発することが本懐だ。
日本で一番問題なのが、技術者を管理しようとすることだ。これが技術者の自由な発想を葬り去っている。欧米主義が入ってきた2000年ごろからその傾向が強くなってきた。そして多くの技術者が組織から抜け出して海外に行った。歴史的に見ても自由の上に繁栄は気づかれている。しかし、自由というのは厳しいものだ。お金だって不自由することもある。協力も得られないこともある。後ろ指をさされることもある。しかし、自分の体と時間は自由だ。そこが重要だ。
日本は会社奴隷の中から優れた者を開放すべきだ。その中から将来の日本を支える技術者が生まれるだろう。違うだろうか?