永里敏秋 KMバイオロジクス 社長:
不活化ワクチン、生ワクチン、抗原蛋白ワクチンといった今までのワクチンの手法が世界に比べて劣るとは私は思いません。ただ今回、欧米でmRNAワクチンが良い有効性と安全性を示してきている。これはちょっと置いていかれた印象。
そしてワクチン会社の規模感。日本のワクチン会社は弊社含め小粒。それぞれの会社に技術はあるが、欧米に比べると小規模。海外メーカーは各国の支援を相当受けている。
また、今回のmRNAワクチンはまさに2002年〜03年に起こったSARS、その後のMERSの際に開発された技術が国の支援のもとずっと継続的に研究され今回に結びついている。一方日本では、喉元過ぎれば熱さを忘れてしまう。
この話を聞いて失望したというか、やっぱりという思いがある。ワクチンは米英、ロシア、さらに中国にも水をあけられている。さらにインドにも。しかし、この話は何もワクチンに限ったことではないように思う。日本の製造業は失墜している。お金がなければ開発はできない。まあそれはそうかもしれない。でも頭を使えば開発資金は抑えられる。みんな頭を使わなくなった。その頭は言い訳と他人への責任のなすりあいのために使われている。
これが今の日本の現状なのだ。それを認め再出発すべきなのに、まだ自分たちの技術は一流だと主張し、技術が流出しているなどとのたまう。技術は常に走っていないと追いつかれるものだ。国際競争を制するのはテクノロジーだ。そしてテクノロジーは人によって生まれる。