日本も本格的に脱炭素社会にシフトすることが宣言された。この脱CO2の大きな柱は三つある。一つは発電、一つは製鉄、もう一つは石油化学である。
発電については、今後は風力発電を増やすとのことであるが、欧米に比べてかなり遅れている。周囲を海に囲まれている日本は風力発電を洋上に設置するらしい。しかし、火力発電を再生可能エネルギーで全て変えることは至難の業である。現代においてブラックアウトはあってはならないことだからだ。火力発電の比率は下がるものもCO2回収技術によって生き残るだろう。
製鉄は米Boston Metalの電気分解製鉄や、NEDOの水素還元製鉄に変わるのだろうが、コストアップは避けられない。日本は水素を使った技術に熱心であるが、水素を火力発電から作ったり、天然ガスから作っては本末転倒である。アンモニアを使おうという考え方もあるが、これも非現実的である。
石油化学は原料を石油や天然ガスを原料にしている。この業界の脱炭素のスローガンは、水素と回収CO2による石油と天然ガスの代替えである。水素は再生可能エネルギーの電気分解となり、回収CO2はメタネーションと呼ばれる技術である。
いずれにしても脱炭素の切り札は再生可能エネルギーとCO2回収技術である。しかしながら地球の資源をタダ同然に使ってきた今までと違ってかなりのコストアップになるだろう。脱炭素社会の勝ち組は大企業、富裕層である。中小企業や貧困層にとっては生きにくい社会となる。
6億3000年前、地球では全球凍結という事件が起きる。その前の温暖化によって光合成をおこなう藻が異常に繁殖して酸素を発生し、大気中の二酸化炭素と結合してそれは海のミネラル分と反応して炭酸塩となり、空気中の二酸化炭素やメタンが急激に減少したためである。地球の温度は―50℃、海は1kmもの厚さの氷に覆われた。しかし、火山などから二酸化炭素が供給され、徐々に二酸化炭素が増えて、氷河期は終わった。
光合成とは不思議なものだ。CO2と水から有機化合物を作り、余った酸素を放出する。太陽光から最も効率の良い緑色の光線を受けた葉緑素でこの反応を行う。この葉緑素の遺伝子情報を人に移植すれば、食べなくても生命を維持することは可能だ。全身が緑色の人が地球を闊歩する時代が人の未来かもしれない。
とりとめもない話でした。