今年最後の石英の話

3〜4分

 石英ガラスは1962年にDr.KenとDr.G.Hetheringtonにより、原料・製法により分類された。Dr.KenはTSLの開発責任者だった。この人については機会があれば取り上げてみよう。

黒字で書かれている部分がDr.Kenによって分類されたもので、今でも使用されている。(ゾルゲルは後で付け加えられたもので、実用化実績はほとんどない)我々が今やっている合成石英は赤字で書かれた部分で新しい分類に入る。特性的には合成石英に近く、コスト的には天然石英に近い。特筆すべきは我々のプラズマ溶融法である。我々は現在、最大400φで1トンまで製造可能で、気泡が現存する合成石英と同等である。プラズマ法合成石英が245nmに酸素欠乏のピークが出るのに対し、我々のインゴットは10㎜の厚さで1%も落ちない。粘度も天然石英と同等。すべての良い特性を網羅している。それでいてコストは安い。

最初の開発の発端は、石英による珪肺の撲滅である。石英産業に携わる人の多くは珪肺で苦しみ最後は肺がんで亡くなった。それを合成シリカに変えれば、珪肺は起きない。ガラス状シリカは珪肺の原因にはならないのだ。それを知って、合成シリカを作って、天然石英を代替えしたいと思った。コストを天然石英に近づけるためには安い原料を出発原料としなければならない。珪酸アルカリは理想的だった。回り道をしたが完成するまで20数年かかった。

1960年代、ほとんどの研究は終わっていた。しかし、まだまだ研究の余地がある。石英の魅力に憑りつかれてしまった私には、まだやりたいことがある。2021年はその開始の時だ。

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