血圧と新型コロナ

4〜6分

 高血圧や糖尿病の人の重症リスクが高いと言われているが、明確な理由はわかっていないようだ。

 今回私はCa拮抗剤からACE阻害剤に血圧の薬を変えた。正確にはACE阻害剤プラス利尿剤である。新型コロナウィルスはACEを利用して細胞に入るから、ARBやACE阻害剤はACEを増やすと言われているから、反対に悪くなるような気もするが。

 実は中国武漢の病院で発表した論文がある。論文においては中国武漢市の複数の病院において、高血圧症があって新型コロナウイルス感染症に罹患した、トータル1128名の患者さんを解析し、ACE2受容体を増やす働きのある降圧剤である、ACE阻害剤とARBの使用が、患者さんの予後に与える影響を比較検証しています。患者さんのうち、188名がACE阻害剤もしくはARBを使用していました。解析の結果、ACE阻害剤もしくはARBを使用していた、患者さんの死亡率は3.7%だったのに対して、使用していなかった患者さんの死亡率は9.8%で、ACE2を増加させる降圧剤により、総死亡リスクは58%(95%CI: 0.19から0.92)有意に低下していました。複数の統計処理により解析を行っていますが、いずれにおいてもACE阻害剤やARB使用は、総死亡のリスクを低下させていました。

 理屈はこうである。RAS酵素は炎症や免疫反応のコントロールをしているが、RASの亢進が続くと免疫機能は落ちている状態になる。自然免疫系、獲得免疫系ともに働きが落ちていることに加え、慢性炎症の状態が続いており、免疫のコントロールが悪くなっている。(免疫が暴走しやすい)。そして、ACE(アンジオテンシン変換酵素)は、このRASをコントロールするためのもっとも重要な酵素である。ACEにはACEとACE2があり、ACEはRASを促進しACE2はRASを抑制します。つまり、新型コロナウイルスの受容体であるACE2はRASをコントロールし、炎症や免疫の暴走を抑制する要の酵素になのだ。したがってACE阻害剤は免疫暴走を抑止するため、重症化しにくいと言われている。

 結局、いろんな薬は免疫力を低下させ、新型コロナウィルスにかかりやすくなるが、問題なのは免疫の暴走(サイトカイン・ストーム)なのだ。これを止めるためには、このような薬が有効だということですね。なんかわかったような気になりますね。

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