日本の研究者がある研究テーマに取りかかる時期は、世界の最先端から平均1年~1年半程度遅れているとの分析結果を、東京大などの研究チームが英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に発表した。
ある研究テーマに取りかかる時期が平均して最も早いのは米国で、世界をリードしていた。米国と比較すると、日本は平均1年~1年半程度遅れてその研究テーマに取りかかる傾向がみられた。英国は米国とほとんど時差がなく、ドイツは数カ月の遅れ。研究力の伸びが著しい中国は1~2年程度遅れていた。
また、「どれだけ先端研究に取り組んでいるか」を調べたところ、日本は90年には世界9位で、米英などと共にトップ集団に位置していた。しかし、徐々に順位を下げて2020年には13位となり、中国や韓国などと共に2番手集団に落ちていたという。
日本が「後追い」状態になっていることについて、チームの浅谷東京大特任講師は「研究費を申請する際、研究テーマの独自性を強調するよりも『米国で流行している研究』などとアピールする方が審査に通りやすいことが一因ではないか」と分析した。
今でも日本が技術立国だと信じている人がいるが、もはや最先端でも汎用技術でも遅れている。この原因は何だろう。私は管理体制、評価体制に問題があると思う。昔はアンダーテーブルと呼ばれる研究が自由にできた。研究費の一部を使って自分の好きな研究ができた。当然研究者は新しもの好きである。人よりいい研究を人より早くやりたいものだ。しかし、トップダウンになり、研究も管理され、成果によって評価される時代になり、研究者が委縮した。日本もそういう時代に戻るべきだと思う。無駄な時間、金が独創的な研究を産むのだから。